金子さんは陶芸教室を営んでいらっしゃいます。初めて工房にお邪魔した際、美しいフォルムの花器や器とは別に、片隅に沢山置かれた動物が気になりました。お尋ねしたところ「生徒さんのお子様に喜んでもらえるから」と恐竜や動物をたくさん作ってみたとのこと。不躾にも思わず今回の企画にお誘いしたところ、作ったことはないがやってみると言って下さいました。
見慣れない道具や制作途中の作品が所狭しと並ぶ工房で、大きな甕を指し何気なく「これは大きいですね〜」と言うと、なんと「私が作った」と、衝撃の事実がこともなげに明かされました。押してもびくともしないような巨大な甕です。この場所にはまだまだたくさんの驚きが隠されている気がしてなりません。
金子さんの作品は自作の粘土、純粋な常滑の土のみから生み出される独特の風合いが魅力です。昔ながらの土は扱いが難しく思ったような仕上がりにならないことが殆どだそうですが、その難しさが金子さんの創作意欲の源のひとつなのではないかと感じました。（NOTARI）