一ツ松さんは、ろくろ１台に静かに向き合い急須やうつわを制作しています。コックピットのように整えられた空間には、作品づくりに必要なたくさんの道具がおさめられていました。黙々とろくろを回しながら息をするように自然に道具へ手を伸ばす仕草には、本当に長い時間陶芸と向き合ってきたのだなあと感じさせられます。
そうして出来上がった美しい生地に『和紙染め』などで独創的な絵付けを施していきます。細かく切り取った和紙に絵の具を染み込ませ転写する技法です。この２つの技術が見事に噛み合い、一ツ松さんの作品世界を作り上げます。豊かな表現の秘密はどこにあるのか知りたくて色々とお話を伺う中で、スケッチブックやファイル何冊にもなるたくさんの貴重なスケッチを見せてくださいました。様々なジャンルに興味関心を抱き探求する姿勢が印象的で素敵でした。（NOTARI）