榎本さんの工房は二階にあり、広々と開放的な場所でした。伺うと早速工房をガイドしてくださり、土を触らせてくださったり、完璧なホスピテリティに頭が下がります。その合間に窯の青色の炎を見てこまめに温度を調整し、理想の色や形を追い求め、作品が世に旅立つところを最後までしっかりと見守ってこられたプロの眼差しが心強く思いました。
やきものの制作環境は、季節やその日の気温・湿度・風通しによって、同じ条件はほとんどないといいます。いま目の前にある土と向き合い、語らいながら完成までの長い道のりをたどります。丁寧に見守られながら成形され焼き上がった榎本さんのお洒落で可愛らしい作品は、多くの人に愛されるあたたかみがあります。
ご本人はいたって穏やかな方ですが、笑いながら聞かせてくださった「本当にあったちょっと危険な話」に、高温の窯の前で肝を冷やすのでした。（NOTARI）

榎本さんより、作品制作途中のお写真をお借りしました。オブジェの焼成前、大皿裏面の焼成前の様子です。ありがとうございました。